豊かな自然に恵まれ、数々の景勝地に恵まれている東北地方は、現代建築の傑作も多い。今回の旅は、自然と調和した東北建築をめぐる2日間。宮城県仙台を起点とし、震災から復興をとげた南三陸地方へと足をのばした。相棒は最新のスポーツセダン、BMW 320i M Sportである。

まずせんだいメディアテークへ向かう。ここは、図書館やギャラリーをもつ文化発信拠点であり、その建物自体も建築家・伊東豊雄氏の傑作といわれている。ほの暗い地下駐車場に滑り込むと、海底を彷彿させる青白い照明と、海藻をモチーフとしている鉄骨チューブが出迎えてくれた。

ガラス張りの外装と同様、近未来的なデザインが駐車場まで統一されていたとは、さすがアートの街・仙台を代表する施設。最新のデザインである、BMWのボディがさらに引き立つ光景に、皆シャッターを押さずにはいられなかった。

狭い山道で対向車と鉢合わせ。そんなときに頼りになるのが「リバース・アシスト」機能である。時速35km以下で走行した、直近の50mの軌跡をたどって自動でバックしてくれるのだ。操作はオートマティック。リバースをセレクトしてシステムを起動し、ハンドルをクルマに任せてアクセルとブレーキを操作するだけ。

仙台から一気に北上し女川町へ向かう際、アクティブ・クルーズ・コントロールを使用してみた。走行速度を設定すると、レーダーやカメラが前方車両を感知してくれる安全装備のおかげで、ロングドライブも疲れ知らず。前車を追従するので、渋滞ではほとんど自動運転状態に。

震災で被害を受けたJR石巻線の終着地点・女川駅は、2015年に建築家・坂 茂の設計によって再建。ウミネコが空を舞う姿がモチーフの駅舎内には「女川温泉ゆぽっぽ」があり、休憩室や温泉入口、浴場にある日本画家・千住博氏が描いた家族樹や霊峰富士などのタイルアートも魅力のひとつ。3階の展望台からは、力強く復興した町並みと、遠くに女川湾を見渡す光景が広がっていた。

女川駅舎のすぐ裏手にある「ホテル・エルファロ」は、被災した旅館経営者たちが立ち上げた宿泊施設。スペイン語で「灯台」を意味するその名には、復興への道しるべに……という想いが込められているのだろう。日が暮れてからの到着だったが、目にも鮮やかなトレーラーハウスが浮かび上がる夜の光景は、まるでアメリカのTV映画のワンシーンのよう。バストイレ付きの客室が63室。広さも十分でゆったりと休息することができた。

2日目は南三陸を目指して北上し、到着したのは、東北復興のシンボル「南三陸さんさん商店街」。美しい木肌で美人杉の別名を持つ三陸杉を多用した設計は、世界的な建築家・隈研吾が監修している。また季節によって内容が変わり、旬の海鮮が堪能できるブランド丼「キラキラ丼」はこの商店街の名物グルメ。創菜旬魚・はしもとにて、めかぶの天ぷらと鮮やかなちらし、刺身がセットになっている春つげ丼をじっくりと味わって腹ごしらえ。

山並みを縫うハイウェイと海岸線を走って松島へ。夕日にけぶるその姿は、さすが日本三景のひとつと謳われる佇まいである。東北が生んだ現代建築の傑作をBMWでめぐり、自然と美食を堪能する充実の小旅行であった。

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